第11回Unity1weekに参加した
2019年03月11日(月)〜03月24日(日) に開催された第11回Unity1weekに参加しました。
今回制作したゲーム「MCバトルOnline」は「対戦相手とオンラインで、ラップのように韻をつないでいく」というゲームです。
「ほう、どれいっちょ遊んでみっか!」と思ってくださった菩薩のようなあなた。本当にありがとうございます。ですが、お気持ちだけで結構です。なぜかというとおそらく遊べません。
だって対戦相手がいないから
今回制作したゲームは、完全オンラインの1対1、対戦相手がいないと成立しません。あなたがこの記事を読んでいる今この瞬間に他の誰かがあなたと同時にゲームをはじめていない限り、あなたはロビーで延々と対戦相手を待ち続けることになるでしょう。心優しいあなたの貴重な時間をそんなことで浪費させると思うと、僕はキーボードを濡らさずにはいられません。
さてどうしてそんなゲームを作ってしまったのか、それをこれから一緒に紐解いていきましょう。
お題発表
お題を確認し、アイデア出しを始めます。月曜中に企画が固まれば、前回の経験もあるし御の字だろうと考えてました。
これは企画のブレストメモ。いくつか面白そうな候補はありましたが、新しいこととしてオンラインもやってみたかったので「韻を踏んで言葉をつなげていく」というアイデアに決まりました。
逆につながらない「逆連想ゲーム」とか、「つながらない文学」とかは一発ネタとしてちょっと面白そうですね。「世代をつなぐ」系のネタも面白そうだと思いましたが、1週間ではまとまらないと判断してます。
順調に固まる企画
よさそうなアイデアが見つかったので、これを固めていきます。
右上の「気になること」を見る限り、「もろもろ心配はあるものの作ってから考えろ!」というスタンスだったようです。じつに男らしい。ほかにも観戦や投票など、大きな夢を見ていることが窺えます。
コンセプトを整理している最中に頭に浮かんでいたのは、すけどんさん@stamina_techの「575オンライン」がヒットした事実でした。あのライブ感、ハプニング感に、即興の緊張感、韻を踏むこと自体のリズム感を乗せることができれば、間違いなく面白くなるだろうという確信がありました。
PUN完全に理解した
上記の企画をもとにさっそくPUNを使ってオブジェクトの実装に成功しているのが下記の動画。コンビニは特に関係ないんですが、手ごろな素材がなかったので。
僕らの街にコンビニがやってきたOnline#unity1week pic.twitter.com/GBUEiLvdaS
— てつを (@hentai_oji) March 11, 2019
そして次の時点で水曜日。企画も固まってるしオンラインも思ってたより簡単に動かせるし、この辺完全に調子乗ってます。
相手の陣地にコンビニとポエムを送り付ける「僕らのコンビニOnline」の進捗です #unity1week pic.twitter.com/4oZjRMDrCC
— てつを (@hentai_oji) March 13, 2019
↓は調子乗ってて絶対面白いと思ったのに鬼ほどスベったツイート
専業でもいいからお家で面白いゲーム作って帰りを待っててくれる奥さんが欲しいなあ
「今日は辛口の死に覚えゲーにしてみたの。どうかしら?」— てつを (@hentai_oji) March 13, 2019
プロトタイプが出来上がっていくのは早かったです。作っていても楽しいですね。
ただ、そのおかげで進捗が順調だと勘違いしています。
自分一人で作ってるような規模の開発なら、0→1にする作業:オブジェ置いたりクラス切ったり変数やメソッド名定義していく と、1→10にしていく作業:適切な名前を考えたりキレイな設計をする のとは明確にフェーズを分けたほうが捗るな。
— てつを (@hentai_oji) March 14, 2019
BGMも付きました。土曜日の夜。作業は進んでいると本人錯覚してますがさっきのツイートと比較すると見た目にはほとんど進んでないのがわかります。
コンビニへの熱い思いを伝えろ!進捗だYO! #unity1week pic.twitter.com/THRuEwEWe8
— てつを (@hentai_oji) March 16, 2019
ラストスパート!みんなガンバロー!!!#unity1week
— てつを (@hentai_oji) March 16, 2019
ガンバローじゃねぇよ!おめえもがんばんだよ!
余裕のApexLegends
突然ですがみなさんはApexLegendsというゲームをご存知ですか?2019年2月4日に電撃リリースされて以来、新世代のバトロワFPSとして世界を席巻しているタイトルです。リリースされてからというもののその面白さに、家にいる時間はUnityを触っているかApexLegendsをやっているかという状態でした。さすがに1week期間中は自粛しようとDiscordでちゃんとフレンドたちに、イン率が下がることを宣言しています。えらいですね。
ちなみにこの後1時間だけプレイしました。チーターがはびこっていて全く面白くありませんでした。
金曜の夜にはApex(あぺ)やりたくて禁断症状が出ています。進捗がでている(と錯覚している)ので余裕ですね。
阿鼻と叫喚の週末
時間というのは不思議なもので、いつもそこにあるのに本当に必要な時に限って足りなくなるんです。「最後に余った時間をとってやろう」と思っていたことは落ちます。これは100パーです。
エモすぎるコミットログ
19時直前のテンパり具合が最高にエモい #unity1week pic.twitter.com/YxsMhydDWM
— てつを (@hentai_oji) March 17, 2019
バグを巻き戻したいのに、うまくできなくてパニクってます。ブランチの名前とかコメントからそれが手に取るように伝わってきますね。作者の感情が強く表現されている、非常にエモいコミットログです。
罪悪感とロスタイム
日曜20時を迎え、リザルトへ遷移しないバグがあることを確認したままビルドをアップロード。
僕もみんなのゲームで遊びたいけど自分のやつ最低限整えてからじゃないと、お返しに遊んでくれる人に申し訳ない
— てつを (@hentai_oji) March 17, 2019
殊勝なこと抜かしてますがApexしなければもっと整ったと思います。
リザルトに遷移しないバグとか日本語入力できないバグとかもろもろを修正しました。いままでに遊んでくれてた方いたらほんとゴメンナサイ #unity1week
— てつを (@hentai_oji) March 19, 2019
謝罪の気持ちを見せてますがApexしなければ直っていたバグと思います。
リアルタイムのオンラインゲームという性質上、自然流入で遊んでもらうのはむつかしいということは分かっていました。狙っていたのはぱふもどきさん@PafuOfDuckの全ゲーム遊ぶ生放送。要するにここで取り上げられるタイミングまでに体裁を整えればいいわけです。大人って汚い。ご本人に確認したところ、オンラインゲームは木曜か土曜になるとのこと。
ここから、己のスパゲティコードと戦う地獄のロスタイムが始まりました。
心(蔵)震える実況生放送
幾度もの「PUNなんもわからん」夜を超えいよいよ迎えた放送当日。まだ多少バグは残っていたものの、最低限遊べるところまでは持っていくことができました。この時点では「面白くなるぞ」という自信と「理解してもらえるだろうか」という不安との間で針がゆらゆら揺れてました。
結果は惨敗。コメント欄やリアクションを眺める限り、そもそも「韻を踏む」ということが伝わっていなかった、伝わっていても非常に難しかった、という感じが窺えました。これが「肩ごしの視線」というやつですね。
できそうなものを作る、で作った前回の1weekとは違って、今回はこれはきっと面白いで作ったせいか、前回よりもモドカシイ気持ちが強い。精進しよ〜
— てつを (@hentai_oji) March 21, 2019
放送終わってからなんだかもやもやしてました。
のぶながよりもおれだろよぶなら
そうびはだいじよろいから
ならおれはぜんらでもいいから
すべすべしてるよいいはだ
みずもしたたるいいおとこなのだ
びしょびしょならばおれのむすこなのだ
みまちがえたつくしとな
https://t.co/kWIOeU5CXT #MCBattleOnline
これがMCバトル
これがMCバトル!?— なまり@感想投下 (@namarunamaru) March 21, 2019
われはだいろくてんまおう
これはらくだいまたあおう
それはだいろくてんまおう
これもだいろくてんまおう
そこにだいななてんまおう
あれはだいはちてんまおう
https://t.co/7FtaDeO29j #MCBattleOnline— TKSP (@YMTKSP) March 21, 2019
でもあそんでツイートまでしてくれたお二方、本当にありがとう!!
結果発表
わいわい祝いわいわわわわーい#unity1week pic.twitter.com/f1RsfIbnSQ
— てつを (@hentai_oji) March 24, 2019
放送のリアクションを見る限り全く期待していなかったのですが、どうにか斬新さ部門で4点、24位にランクインできました。
遊んでくださった方、評価をつけてくださった方、本当にありがとうございます。
斬新さ4点というのは絶妙で「(面白いかは分からんけど)ほかに見ないから4点、でも面白いか分からんし5点はつけられないかな」という評価だったのかなと解釈してます。そもそも遊べなかった人は点数つけられないでしょうし。
バグをとって「絵作り」「雰囲気」を整えて完成度を高めれば、結果的に「楽しさ」につながるし「斬新さ」のところにも評価が入りやすくなるだろうと思っています。
アイデアが残念ながらたのしさに結びついてないのはぼくの技術不足なのか、はたまた。今回からの評価システム、お祭りとしての盛り上がりはもちろんフィードバックとしてめちゃめちゃ有用ですね。ありがとうないちさん #unity1week
— てつを (@hentai_oji) March 24, 2019
浮き彫りになった弱点
ひとつは実装スピード。作り方の引き出しといっていいかもしれません。「こういうことをしたいときは、こういうパターンがあるよ」というテンプレを習得し、なるべく頭と時間を浪費せずに実装していけるようになる必要があります。時間が余ればそれだけ、絵作りや全体的な統一感、バグ修正にパワーを割くことができます。
自分で一から実装するだけでなくアセットストアの活用も。今回DOTweenを使ってみましたが、動きのある絵が5分で作れて感動しました。
もう一つは世界観づくり。アート、サウンド、UI全てから受け取る印象ですね。今回は時間がなくてやれなかった、というのは確かに間違いありませんが、時間があったとてクオリティを出せたかというと、おそらくそんなことはなかったでしょう。普段からその練習してませんからね。
これからのUnity1weekへの挑み方
「ゼロから新しい技術、表現に挑戦する場」というよりも、「練習したものを披露する場」としてとらえていこうかなと。今回新たに挑戦したPUNは、非常に簡単で、かつ程よくハマりました。1week中はその復習をする時間が取れないのでハマったところをゴリ押しで突破して放置しがちというのもよくない。
次のunity1week(たぶん7月くらい?)でもこの形式が続くのであれば
* 評価100人
* 総合トップ10
を目指します。
トップ10きついかな?トップ30くらいがいいかな?表向きはトップ10にしといてそれは努力目標ということにしておこうかな?
まとめの中期目標
これから3か月間は、細かく作って出してのサイクルを加速させていきます。新しい技術や設計、思想、テーマの検証→3週間でそれをリリース、を繰り返していくイメージ。
並行してアートや3Dモデルの勉強も始めていきます。3Dでつくってみたいゲームがあるんですよね。その辺も、この検証期間を使ってゲームに落とし込んでみたいと思います。
韻を踏むなんてムツカシイ!という皆様のため、これからツイートでも韻を踏んでいきたい
みんな待っとけ以後俺に期待— てつを (@hentai_oji) March 21, 2019
これ以降めんどくさくなったのでやってません。
ご意見ツッコミあればお待ちしています。